FH-06(2013年)



開発コンセプト

~中低速コーナーリングスピードの向上~


学生フォーミュラ日本大会でのメインイベントであるエンデュランス競技では、スラロームやシケインなどを含む低速コーナーが中心の複雑なレイアウトからなる周回コースで競われます。
  したがって、そこで必要となるのは、単純なパワーや最高速度ではなく、こうした難易度の高いコーナーが連続するコースを素早く脱出しうるマシン特性となります。そこで2015年の学生フォーミュラ大会出場マシンであるFH-09ではマシンコンセプトを「中低速コーナリングスピードの向上」として開発が進められました。

  FH-09での主な改良点は、ステアリングシステムの軽量化、シート、カウルの軽量化、ペダルユニット・シフターの変更、フロントプルロッドの採用、マフラーの変更が挙げられます。

  ステアリングシステムは、ラックケースをA2017ジュラルミン材を用いて製作し、ラックアンドピニオンのギアモジュールもm1.5に変更したことにより、重量を2434g→1638gと33%の軽量化を達成することができました。
  ペダル・シフターに関しては、ハンドクラッチの採用と2ペダル化により、ドライバーの操縦性を向上することが出来ました。また、ペダルを吊り下げ式にすることで、メンテナンス性を向上させました。
 フロントプルロッドに関しては、プルロッドの採用により低重心化を可能にすることができました。具体的には、サスペンション部品の重心高を243mmから218mmへと、11%の低減を達成することができました。

  シートは、これまでレーシングカート用のシートを転用していましたが、昨年度はGFRPを用いて自作を行いました。シートの背もたれの角度を45°とし、カート用よりもリクラインにしました。結果としてホールド感を向上させ、操縦性を良くすることができました。
  カウルは、弊チームのスポンサー様からアドバイスを頂き、FRP積層時のFRPと樹脂の重量の最適化、使用するFRPの選定とカウル自体の形状変更を行ったことにより、大幅に軽量化しながらも強度を両立することができました。

  マフラーに関しては、FH-08のマフラーでは、騒音の実測値が予測値よりも13db程大きくなってしまいました。この理由は、隔壁式の箱型にしたため、高回転域での排気音がマフラー内で共鳴したこと、排気位置がエンジンの真横であったためにエンジン自体が生じる音を拾っていたためであると考えました。そこで、形をオーバル形状に変更し、排気位置を前方にずらす、グラスウールの量を増やすなどして、消音性能の向上に努めました。
 また、計測機器としてデータロガーとジャイロセンサーを含む複数のセンサーを導入し、設計・セッティングに活かせるようにしました。


 FH-09 スペックシート
FH-09 スペックシート
FH-09